「会員の詩」の頁です。
関西詩人協会自選詩集(第10集)から
掲載させていただきます。
青島 江里
青空
通勤バッグの片隅に忍ばせて 外に出るのも辛い日 あんなこんなにぶつかるうちに ぽたりぽたりと言葉のように 顔をあげたいと思う 天気雨のような涙に虹がかかって
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日本詩人クラブ会員
所属:詩誌「MY DEAR」「PO」
著書:詩集『無数の橋 きみへのエール』
瀬野 とし
こわばる
「ソ連兵に 銃を突きつけられたこと 「えっ 私も突きつけられたの?」 「夜 三人のソ連兵が来て 幼い私が 覚えていないのは テレビニュースを見ていたという姉からの 暗闇に浮かぶ 銃口を感じて からだが固く
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日本現代詩人会、詩人会議会員
所属:詩誌『炎樹』
著書:詩集『なみだみち』『線』『菜の花畑』
山本 光一
藤が浪うつ頃
谷間の清冽な激流に あなたの横顔と口元には あなたに和菓子をお裾分けしたり 最近あなたを見かけません 一筋の涙が頬をつたい 「おもかげとほく」
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日本詩人クラブ会員
著書:詩集『カプチーノを飲みながら』『命なりけり―もえの和菓子アルバム』』花信風』