「会員の詩」の頁です。
関西詩人協会自選詩集(第10集)から
掲載させていただきます。
熊井三郎
「血の気」
いつもの診療所 次に行くと センセイが仰った えっ あの センセ わたしは 下の娘からラインでメッセージが届いた そういえば 一線退いたときに そこへ 京都の詩人から センセイが首をひねっている
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所属:「詩人会議」「軸」「詩のもり」
著書:詩集『誰か いますか』『ベンツ 風にのって』
尾崎まこと
「夏の犬」
僕は歯と歯の間に 遊びほうけたあなたを 海のさざ波の反射が それとも 岸辺の風は遠かったですね 夏が一匹
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所属:詩誌「PO」「イリヤ」
著書:詩集『カメラ・オブスキュラ』『断崖、あるいは岬、そして地層』
根来眞知子
「琥珀」
私の指にはまっている琥珀の指輪 うっかり止まってうたたねでもしたか 生は短く死も一瞬で 何千万年も経て
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所属:現代京都詩話会、日本詩人クラブ
著書:『雨を見ている』『たずね猫』