「会員の詩」の頁です。

関西詩人協会自選詩集(第9集)から
掲載させていただきます。

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あたるしましょうご中島省吾


「お母さん死んで手術の保証人がいない」

       

    

カップラーメンのみの生活、命の危機。施設も病院も自立支援で
入れない。自立できる方は自立してくんなましぃ
医者は法律改正違反で捕まるから不安薬減らしてもええかあ
減らさないで、の毎度の三分診察のやり取り。坑不安薬は必要
寝れなくて、すぐ自殺になる。障がい者施設合併、縮小
地域移行で施設入所順番待ちのライバルだらけ。生涯独身
彼女いない歴三十八年、素人童貞、一人暮らし、天涯孤独
お巡りさんが友達、キリスト教会で礼拝ストーカーとして警察罰金
後述の壮年に脅されあちこちの教会にストーカー悩み持ちの
男一人ぼっちで脅しのパワーのみで行く。現在、超教派Bリスト
二〇〇八年に女性に本あげて、話しかけたからキリスト教会除名
現在、彼女は結婚して、妊活中です。彼女の悪口を言うと旦那が
なんてこと言うんや、と怒ってきます。二十四歳のとき、初めて
聖霊派のキリスト教会に行き、婚前交渉したらメクラ
サタンに憑かれる、と今でも唯一付き合いのある、教会内で唯一
電話番号知っている一人の独身の壮年に言われて、怖くて
結婚せずに現代版女性と上手く姦淫なしで、付き合えなかった
処女しか結婚できないと婚前交渉警戒は不幸にならないためと
邪魔されまして。毎度、そのおっさんのお負けが付いてきて
女が逃げました。素人童貞、ジャニーズ百科事典の元所属者でも
こんなんでした。キリスト教会は悪くないと全員が言い
今があります。今は頭は疲れ果ててハゲです
もちろん、バレンタインもクリスマスも縁がありません
家庭もありません。過去、お母さんと二人暮らしでした。二〇一八
年末内科に行き、検査結果メタボリックシンドロームです
余命が二年です。カップラーメン三食、弁当三食の食生活が限界
限界の食生活は変えれませぬ。このほかに方法がありませぬ
ヘルパーに食事作ってもらいたい、と市役所に申請しましたが
男性ヘルパーしかあかんとか、財政難のため落ちましたぬ
彼女さんに作ってもらえと、彼女はいませぬ。お母さん死んで
急に料理は作れませぬ
この本が出て詩人と読者が泣いてくれませる、余命一年ごろ
養父、串本、十津川の寂びれた団地を観た
田舎の山中の団地を観た。人が生活していた
なんかあったらスーパーのお菓子、弁当も無理地区、孤独死
僕は最期まで粘ろう、生きよう




                      

  

 


著書 『入所待ち』『本当にあった児童施設恋愛改訂増補版』
 『もっともっと幼児に恋してください』




寺沢京子


「平和の橋 (ピース・ブリッジ)」

 

           

誤解が重なり 心が離れそうになったら
思い出して 橋があることを
あなたと私をつなぐ 平和の橋

世代が違うから 仕方ないなんて言わないで
心を開いて 話し合って
時間を超えて 分かち合いたい

仲間となかま 少しの違いで手を結べないとき
何が大切か 考えてみて
生命を守る手と手 つなぎたい

肌の色や 国が違うからと背を向けないで
流れる 血の色は同じ
生命と生命つなぐ ピース・ブリッジ

人間は今まで幾度 過ちをおかしてきたのだろう
話し合わずに
攻め合って 傷つけ合って

私たちは今もなぜ 過ちをおかすのだろう
分かち合わずに
憎しみ合って 苦しめ合って

誤解が重なり 心が離れそうになったら
思い出して 橋があることを
あなたと私をつなぐ 平和の橋



                      

  

 


所属:「PO」「いのちの籠」 神戸YWCAグループ「ピース・ブリッジ」
著書:『大切なものって何だろう―核・震災・そして文学』
『平和の橋 Peace Bridge ―一人ひとりが大切にされる社会を願って』





播磨カナコ



「眠れぬ夜に」

 

 

           

息をすう
息をはく
ふかぶか
ふかぶか

見えてくるのは
山のなか
杉やとうひは
しんしんと
とがって空をおおいます
かすかに水音きこえます


木の根にひとり座るのは
あれはきっと
わたしでしょう
ごぜんたちばな赤い実が
わたしの指先照らします
どこかの洞ではひかりごけ
おあおあ光っているでしょか

木のまをこぼれる
これは 雪
ほっぺに ひとつ とまります
くちびる ひとつ とまります
音符のにおいがいたします
わたしは歌でもうたうでしょう
小さな声でうたうでしょう

そこへさわさわ風がたち
風もいっしょにうたうでしょう
子守唄ならいいけれど
ガラスのかけらであるように
さらさらわたしを
吹き飛ばし

いずれわたしは無くなって
そこには木の根のあるばかり
ごぜんたちばな赤い実に
雪がひとひらとまります

息をすう
息をはく
ふかぶか
ふかぶか
消えたわたしは
息ばかり
ふかぶか
ふかぶか
息ばかり




                      

  

 

所属:「伽羅」










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