関西詩人協会会報第20号
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本年度から会費が変更されます 1月1日から新年度の会費になります。年額の会費は四千円です。 すでに三千円を払い込みの方は差額を振り込んでください。 従来、振替送金の方に受領書の葉書を送っていましたが、これからは現金送金の方のみにさせて頂きます |
大阪文学センター(仮称)早期建設を求める陳情書陳情趣旨活字離れ、文字離れがいわれるなかで、地方の都市や町で文学館の新設が静かに広がっていると言われています。現在、文学館は全国で二百は越えている言われています。 平成11年3月には指定都市の仙台市に文学館が開館しました。また名古屋市においても同年11月に近代文学館の設置を求める請願が採択されて、設立へ動き出しています。(中略) こうした文学館建設に対する期待は大きなものがあり、過去に数多くの文学団体も加盟している『大阪文化団体連合会』を通じて「大阪文学館についての要望書」を提出しました。また、『関西詩人協会』として、第3回年次総会の決議に基づいて平成8年11月に大阪市長宛に再度要望書を提出しました。さらに昨年は『大阪文化団体連合会』に協力して「大阪文学センター(仮称)の早期建設を求める陳情署名」約1000名分を大阪市長宛にしたところです。 私達は『関西詩人協会(代表 杉山平一)』は、事務局を大阪市内に置き、関西を中心に活動する約四百人の詩人の団体です。 今回、昨年11月に開かれた関西詩人協会第六回年次総会の議決に基づき、本市議会に陳情いたします。 文学を愛し、創造し、あとに続く者たちへ、人間と社会と時代をつなぐ根本的な意味にを伝えてくれる先達を知り、今日の時代を考える人たちの研修の場となるような「文学センター」がこの大阪に、一日も早く建設される事を強く望んでいます。 戦後50余年、平和に寄与してきた人々の精神の証明としても、多くの本を守り、後世に伝える義務と責任があると考えています。 21世紀の大阪の新しい心のシンボルとして、文学センター(仮称)の建設は最優先されるべき事業であると考えます。以上の趣旨をふまえ、次の項目を陳情致します。 陳情項目 一、文学センター(仮称)を建設してください。すでに平成七年度には基本計画報告書が作成されています。多くの市民をはじめ文学愛好者、文学諸団体の強い要望です。新規事業として最優先して建設に着手してください。 2、市は2000年度に作る文化振興の計画に、廃校舎や倉庫など、市の遊休施設の活用を盛り込むとしています。当面そこに文学センター開設準備室を設置してください。そして、このままでは散逸してしまう恐れのある「文学関係資料」の収集とあわせて、文学活動としての合評会、研究会、教室、集会等の会場に貸与して利用させて下さい。 陳情者 関西詩人協会 代表 杉山平一 事務局 福中都生子 大阪市議会議長 玉木信夫殿 大阪市長 磯村隆文殿 200011月10日 |
英訳詩集「言葉の花火」刊行される 購読希望の方は次に申し込んで下さい 長岡京市井ノ内坂川25−21 竹林館 п@075-955-3019 |
圧巻、非凡な会員の図書 ラーマクリシュナの福音 T 奥田博之訳 インド哲学・宗教思想の紹介書として去る11月に刊行された。 近代インド最大の聖者の教えの言葉を、日本で初めて完訳したもので、ベンガル語本全5巻のその1巻。 奥田氏は関西大学在学中に、聖者の教えを求めて、インドのラーマクリシュナ教団の僧侶となり、ヒマラヤの山麓で13年年間の修行を続けた。深夜の薄暗いランプの下で、ベンガル語の原典を日本語に翻訳し、疑問は教団の学僧の助けを受けたという。椙山女学園大学の橘堂教授は、前人未踏の業績と評価される。(志賀英夫) (A5版500頁 東方出版 定価8000円) 替歌研究 有馬 敲 明治維新から90年代にわたり歌い継がれてきた歌の替歌研究書。「こうして替歌の歴史に浮き出てくるのは、切ないまでに日本人の生活史の反映である。そして現在は、替歌が下火の時代。替歌になるような(国民歌)が不在なのか、(庶民)が不在なのか。」(朝日新聞・12月3日書評より) 面白かった。楽しかった。懐かしかった。と好評。 (B6版728頁) 未踏社刊 定価 6500円) |
豊原清明詩の始まり 中也賞、晩翠賞に輝く 発足以来の本会会員である豊原清明さんが18歳の高校生として、一冊の詩集をひっさげて詩壇に登場したのは5年前のことであった。現在2冊の詩集を刊行、いずれも受賞して、その詩の世界にも肉質と幅を増してきた。 その受賞歴は次の通り。 第一回中原中也賞(1996)『夜の人工の木』(1995 霧工房、1996 青土社)32篇収録。跋文伊勢田史郎。 第41回土井晩翠賞(2000)『朝と昼のてんまつ』(2000 編集工房ノア)27篇収録。跋文 安水稔和。 明日の僕は みんなウソ 昨日の僕もみんなウソ 今しか竜はみえないぞ! 今しか空にとべないぞ!! 『夜の人工の木』より「春彼岸」結び 詩の言葉が他のジャンルのことばとその働きにおいて異なるものは、その爆裂度と速度にあるだろう。そこにあってそこにないものをとらえるその弾性と鋭利な切れ味は、存在への切り込みと感性の快さにかかっている。 その全体性にかかる白紙還元への鮮烈な出発ーーあいさつ語と相対するところ、非日常の自由性の世界に立つところに豊原清明の詩の解放があり、自立がある。そしてこれは二度と発せぬ無印な若さのうたである。 山雲が円を描いて 月見している (僕の会話をふうじこめて) 寺の子がソーダー飲んで のどをうるおしている やはり 角のとがった ジャックナイフで のどをかきむしるに 限る 柿の木をけずる音 ここだく(たくさん)のねずみ 放浪の詩人も 結局の所はね みんな死んで 僕だけ生きる そんな思想は ドライアイスで冷やしておこう 『朝と昼のてんまつ』より「出来心」前半 この若い鬱屈としての感性によって「不条理な世界のなかで生きてゆかねばならぬ人間の悲しみ」(伊勢田史郎)を身に受けていく栄光の詩と人生に祝福あらんことを。(明珍 昇・記) |
第4回ポエムセミナー 12月2日の午後、アピオ大阪の204号室にて「曖昧さの面白さ」と題して、薬師川虹一氏がゲスト、参会者8氏が集まった。翻訳を通して日本語を考えるセミナーで、また実作指導ではマザーグースの詩を訳して、大阪弁、京都弁、河内弁にするなどの試みもした。 |
会員の活動 杉山平一氏11月8日、高槻現代劇場で「20世紀北摂のすぐれびと」をテーマに、三好達治について講演。 青木はるみ氏 11月1日 産経新聞に詩「耳を澄ます」を発表。11月3〜5日の「世界詩人祭」で「詩に於ける身体・音声・イメージ」のテーマでパネラーとして出演。 日高てる氏10月13日の南海日日新聞に「冬木康遺稿詩文集成」の刊行経緯を執筆。 日高てる・安森ソノ子・白川淑・下村和子・島田陽子の諸氏は、「世界詩人祭」にて詩を朗読。 福中都生子氏・11月2日、金沢スカイホテルで日本海文学大賞の贈呈式に、選考経過を語る。 11月10日原委員と大阪市役所文教経済委員会に文学センター創設陳情書を持参。 白川淑氏 11月19日 北九州市立美術館講堂で開かれた、北九州詩の広場で「京ことばであそびまひょ」を講演。 佐藤勝太氏 11月19日「詩のフェスタひょうご」で兵庫県知事賞を受賞。 苗村和正氏 上記同様、兵庫県教育委員会賞を受賞。 森ちふく氏 12月11日 ザ・シンフォニーホールで開催された女声合唱団プリモーラのコンサートで、合唱組曲「ふゆのさくら」が演奏される。 犬塚昭夫氏 10月28〜30日堺市の創造空間BOXで「はり絵展」を、ときめき屋正平氏と開催。 詩を朗読する詩人の会「風」は11月19日の夜、山口三智氏をゲストに例会を開催。 |
会員の皆様、詩集のご出版おめでとうございます(2000年)
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