関西詩人協会運営委員の頁
左子真由美
「教室」
ところで ある日ふと気がついた この世は 大きな教室であると
新しい単語 世界の謎を解く数式 星の歴史も草の名前も 覚えきれなかったけれど
わたしは 毎日 この教室に 通っていていいのだった
名札なんて要らないそうだ 時間割などもとよりなく 教室はとてつもなく広くて まるでサバンナのよう
そんな場所で いつまでだかわからないけれど 風を感じていていいのだった やわらかな雨に濡れていてもいいのだった
わたしのいる教室に 先生は見えない けれどたくさんの仲間のどよめきと 詩を綴る空の黒板がある |