関西詩人協会運営委員の頁
榊 次郎
「ひとひらの葉」
御堂筋のいちょう並木に 冬を告げる風が こがねに色づいた葉を散らしていく
その中の一本の樹 風に抗いながら 身を震わせ 枝にしがみつく ひとひらの葉
まるで季節の変わりを拒否するかのように 去りゆく一年を惜しむように 踏ん張っている 落下の準備が出来ていないことを表すように 打ち震えている あれはまさしく おれだ
迎える年に青々とした葉を付けられるか 試される時が またやってきた |