関西詩人協会運営委員の頁
永井ますみ
「少女が」
彼女に支配されていた昔 私はうつむいていた 何にもできないと思っていた
何かをしようとすると 少女はすぐに反対の事をいった そげなことしても 仕方ないだに 言い募る彼女に負けて私はうつむいた
転機があって私は走るしかなくて 学校へ行き仕事に就き子どもを育て 少女の存在を忘れることがあった
もうお婆さんになってしまった私の中に おかっぱの少女がうずくまっていて 時々白い眼をむける 年取るばかりだに そげに仕事抱えてどげするの |