関西詩人協会運営委員の頁

有馬 敲(ありま たかし)委員

略歴
1931(昭和6)年12月17日、京都府生まれ。
1954年同志社大学経済学部卒業後、京都銀行勤務。1972年「お菓子のタカラブネ」に転職。1994年退職。2000年、既発表の現代詩、評論等を収めた『有馬敲集』全八巻刊行。以後、小説『芦生の森』『糺の森』『嵐峡の森』など出版。
2002年『浮世京草紙』上梓。いままでに世界50数カ国を旅行。趣味はパロディ研究。現在、日本モンゴル交流協会会長など。

1992年 少年詩集「ありがとう」(第29回サンケイ児童文学出版文化賞、推薦賞)
2001年 第5回アトランチダ詩人賞(スペイン)
2003年の著書予定
三月 『替歌の世界』(人文書院)
六月 『替歌・春歌研究』(中央出版)
十一月『バクダッドへの道』




バビロンのライオン   有馬 敲



荒れはてた砂色の広場に
ぽつねんとライオンは突っ立っていた
一メートルほどの台座の上で
顔の下半分が砕かれて鼻も口もない
それでも手負いのまま
逆向けに倒した一人の兵士を
四肢で踏んづけている


なぜ こんな場所に
置き去りにされているのだろう
玄武岩に彫られたライオンには
弾痕がいくつか残っている
いつの時代のものか たしかな証拠もない
空中庭園の跡形もなく
広漠とした廃墟のはるかむこう
ナツメヤシの緑の林が
長く伸びていた


・ライオンはバビロニアとアッシリアでは愛と豊饒の女神イシュタールの象徴とも。


          (2004年刊「関西詩人協会自選詩集 第四集」より)





  かもつれっしゃ  有馬 敲


がちゃん がちゃん がちゃん
  がちゃん がちゃん がちゃん  
    がちゃああん がちゃああん

がったん ごっとん がったん
  ごっとん がったん ごっとん
    がったん ごっとん がったん

ごっと がった ごっと がった
  ごっと がった ごっと がった
    ごっと がった ごと がた

がた ごと がた ごと がた ごと
  がた ごと がた ごと がた ごと
    がた ごと がた ごと かた こと

かた こと かた ことかたこと
  かたことかたことかたこと
    かたことかたことことことことこと

   

  せみ  有馬 敲


 じぶん じぶん じぶん

  じぶん じぶん じぶん 

じぶん じぶん じぶん

    じぶん じぶん じぶん


じかーん じかーん じかーん

  じかーん じかーん じかーん

じかーん じかーん じかーん

    じかーん じかーん じかーん


じゆう じゆう じゆう

  じゆう じゆう じゆう

じゆう じゆう じゆう

    じゆう じゆう じゆう







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