緑地ウォーキング


いしだひでこ

 


 

 

 9月になって朝の風は肌に心地よい。

日差しはまだまだ強いが3ヶ月ぶりに緑地ウォーキングの日である。

 

 近くの診療所会議室で毎週体操サークルを開いていて手伝っているうちにいつ

の間にか他の文化教室やオカリナの会などにも参加するようになった。そこへ、

コロナショックである。2020年2月の展示会・発表会を目前にすべて予定は

中止となった。その後会場は閉鎖と再開を繰り返していたが、去年2021年の

夏からはずっと閉鎖で使えなくなったままだ。

 

 鶴見緑地公園でのウォーキングは郊外での行事でもあり、夏以外は毎月実施さ

れている。自宅から集合地の公園の噴水前までは徒歩20分あまり。早めに着い

たので噴水の向こう、日陰の芝生で待つことにする。手頃な石に座り、大きな石、

というか岩石が2つ並んでいるのを眺める。

 

 右には〈自然と人間の共生〉と大きく描かれ、

 左は〈花は緑の精、緑は生命の象徴である〉

 2000年9月30日国際花と緑の博覧会記念協会

 

と記されていた。何度も来ているのに初めて読んだ。

 

 周囲5kmの広い公園は、咲くやこの花館、バーベキュー広場、大芝生などさま

ざまに楽しめる。山のエリアも風車の丘、世界の庭、バラ園など見どころが多い。

「コロナ禍になってから日曜・祭日は家族連れで混雑している」と毎朝散歩して

いる友人が言っていた。平日の今日はいつもの散策を楽しむ人たちが行き交う。

 

 集まったのは5人。まだ暑いし、こんなものかな。軽くストレッチして出発す

る。小道から小道へとパズルのように続いていく道は、未だに知らないところも

ある。グループで行くと花や樹木に詳しい人や、どこへでも案内してくれる人が

いて話が弾む。日頃、それぞれに我慢を強いられながらも、今は心配事を忘れて、

みんな歩くのを楽しんでいる。

 

 緑地の樹々や花たちからの大いなる〈気〉の力と涼しい風が

 あれやこれやのモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。

 

 

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