コロナ禍を生きる


今井 豊

 


 

 コロナ禍では2年目の正月を迎えました。変異株オミクロンの脅威があるなか、日常生活を取り戻しつつあります。
 私は2020年の3月30日に転倒しました。本箱の前にあった物が倒れたことで、本箱のガラスを直撃し、運悪くガラス片がナイフ状となって左背部にグサリ、直径5センチ以上10センチ未満の筋肉、臓器に達する創傷処理手術を受けました。
 動脈が切れて大量出血となり、処置遅れたら死んでいたでしょう。妻が救急車を冷静に呼んでくれたことに感謝です。救命救急士が上手に止血してくれ、奈良県西和医療センター救急外来外科安田医師と他三名の医師の的確な処置で助かりました。大量出血が止まらず大変でした。血が吹き出して医師の白衣も赤く染まるほどでした。
 救急外来が新型コロナウイルスで閉じてしまうと命も救えません。
 この時は同年4月に史上初めての緊急事態宣言が安倍首相によって発出されました。私の怪我は発出前でしたから、救急車10分、病院移送15分と迅速なものでした。救急車で確認されたのは「海外渡航されましたか?」だけでした。
 安倍首相のコロナ対策は突然の全国一斉学校休校要請に始まり、補償無き休業要請、アベノ布マスク全国民2枚配布などエビデンスのないもので混迷を深めました。医療崩壊が始まり、隣の旦那さんが同年7月に脳溢血で意識不明となったとき、救急車を呼んだものの病院の受け入れに1時間以上要して、治療することなく命を救えない状況になっていました。安倍首相はその後、突然病気を理由に政権を投げ出しました。
 東京オリンピックが強行されたことで、感染爆発も起こり、医療崩壊のなか、自宅放置でたくさんの命も奪われました。安倍政権を継続した管首相は突然総裁選に出馬せず政権を投げ出しました。新しく誕生した岸田首相はコルナ対策の検証もせず、組閣後最短で総選挙を強行しました。
 私は運良く医療崩壊前で、命を救われましたが、自宅放置で命を落とした人達は「自己責任」ということで済まされるのでしょうか。安倍首相は自分の命を守るためにいち早く避難されました。おいて行かれた国民はどうすればよいのでしょう。権力者のやることには批判ばかりしてはだめだとの風潮もありますが、コロナ禍を生かされて思うのは権力者を批判しないでどうする。詩人の端くれはこの状況下どうすればよいのでしょうね。




 

                     



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