根元(ルーツ)から創ろう

船曳 秀隆

　突然だが、冬にエアコンが暑過ぎる時、あなたならどうするか？　服をなるべく脱ぐか？　冷たいものを食べるか？　暖かい風を送っている根元であるエアコンを止めれば解決するよね。
　ところで、最近、僕の家の庭に生えた植物の蔓が、伸び過ぎて　建物に絡みついて困っているんだ。どうすればよいか？　蔓を切っても切っても、新しく伸びてくる蔓が、また建物に絡まってしまうよね。そんな時は、植物の根元から取ると、奇麗に解決するよね。
　このように、物事に向き合う時、根元(ルーツ)からするというのは、とても大切だ。何よりも、根元からすることが重要だ。僕はオリジナリティ（→origin→起源、つまり根元）について、あなたに伝えたいことがある。
あなたは、何か物を作ったことはあるかい？　もしも作る機会が有るなら、オリジナル（→origin→起源、つまり根元）から創ることをお勧めする。
　学校や習い事でも、何かを作ることはあるよね？　例えば、論文を書いたり、ピアノを弾いたり、絵を描いたり、お芝居をしたり、ダンスをしたりなど……。
　でも、それをする時、人真似をしていて、根元から創っていない人が、世の中に多いんだ。多過ぎるんだ。例えば、論文は、参考文献を記しさえすれば、引用をしても良い、と大学でも教わる。ピアノ教室でピアノを弾く時は、他人の書いた楽譜から練習を始める。お芝居やダンスをする時も、こういう見本を手本とするように、と教わる。
　それって個性的かい？　それって自分らしいかい？　それって人真似であり、根元から創っていないよね？　例え見本を自分なりにアレンジを加えたものなら、個性的だ、と言う人がいても、それは根元から創った訳ではない。それは、根元から創ったオリジナルではない。オリジナル（→origin→起源、つまり根元）から創ることを、お勧めする。
　まずは、下手でも変わっていると言われても良いから、自分から始まる、零から始まる論文や曲やダンスを創ってくれ、創ろうとしてみてくれ。
　僕は、根元を発見し　創造するようになるまで、十数年かかった
　僕は伝えたい、根元から創ることは、とても大切であることを。そして、根元から創ったものは、その先の枝葉を切られても、また何度でも生えてくることができ、無くならない。根元から創ったものは、この上なく強いんだ。あなたは、自分だけの根元を探そうとし、発見してくれ。世界で初めてのあなたと呼ばれる為に。それが唯一、あなたの根源＝オリジナルになるのだから。