新型コロナが問いかけるもの

 迷走するのは政権だけではない。言葉も迷走し独り歩きしている


岩井洋

 

世界的流行となった新型コロナは、私たちの生き方と文化の在り方に大きな問題を提起し、未だ収束の兆しを見せてはいない。

関西詩人協会についていえば、文学散歩をはじめ、詩画展の中止、延期等甚大な影響を被ったし、4月の運営委員会も相互メールのやり取りで行うという事態となった。

イベントの中止等が続けば、コロナをテーマに詩集の発行をという提案がされ、ついに新型コロナへの逆襲に出る事態となっている。

この間、3密だとかソーシャルディスタンス、ロックアウトなどと耳慣れぬ言葉に東京アラートなどという造語や、新しい生活様式などという言葉が登場しつつある。

つい先ほどはJリーグの無観客試合が罰則規定に基づく否定的な意味合いを持つものだからとリモートマッチなる呼び方でポジティブにという提案があったようだ。

英語では、直訳するとno spectator game で,他に behind-closed-doors gameもある。ドイツ語では直訳もあるが、geisterspiele(幽霊試合)という言い方もあるようだ。

はてはて、どんな言葉が定着し、私たちの世界に現れるのか、それはそれで気になるが、何よりコロナの収束と私たちの詩運動が再び大きく展開されることを願いながら、詩を書き続けていきたいと思っている。

 

 

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