小さなお友達からの便り                  
              司  茜      

 

 
 ごはん
            司  茜   

 戦争がおわって
 いいえ
 日本が戦争に負けて七十年です

 あのころ
 白いご飯は食べられなくて
 サツマイモや ジャガイモばかり食べていました

 あれは
 代用食だったのよと友達と話し合ったのは
 中学生の頃です

 いま おばあちゃんになって
 お茶碗にくっついた ごはんを
 ひとつぶ ひとつぶ 食べるのは
 たいへんですが 残さず食べます

 ごちそうさまでしたと手を合わせます
 
 今日
 生まれてきた
 まっさらなあかちゃん
 明日
 生まれるあかちゃんにも
 ありがとうと言います


冒頭の作品「ごはん」は、詩誌「こだま」四七号(二〇一五・十一月)から転載させて頂きました。紙面の都合で行数は三十七行から二十六行に変更しています。
「こだま」は、千葉県流山市在住の保坂登志子さんが松尾美成さんと共に二十数年もの長い間発行を続けていらっしゃる詩誌です。
大人も子供も自由に書き、集える「ひろば」のような詩誌でありたいと話されます。
この間色々ご苦労があったと思うのですが、今後も、その姿勢は崩れる事はないように思います。
「こだま」に書かせて戴くようになって、かれこれ十年、いつも締切りに間に合わない劣等生です。
そんな劣等生のもとに、保坂さんを通じて、作品「ごはん」へ二通の便りが、節分の頃に届きました。
長野県佐久市の佐久市立野沢小学校六年生の長岡京子さんと土屋桃南さんからです。
担任の前田裕子先生が日頃からクラスの中で「こだま」を読み、感想を書き、子供たちにも参加をすすめていらっしゃるようです。
もう十年にもなるのに、私に届いたのは、今回がはじめてなので、嬉しく、許可を得て掲載させていただきます。

               
 長岡京子  

 はじめまして。野沢小学校六年一組の長岡京子です。
 茜さんの詩を読みました。茜さんの詩は、とてもきれいですてきなものだと思います。
 ごはんを残さず食べるというのは、あたりまえであることだけど、大切なことです。
 ごちそうさまでした、と手をあわせるのも、大切なこと。今、ここにある食べ物にかんしゃして食べているしょうこですね。
 茜さんは、あかちゃんにもありがとうという、とかいてありましたが、それも大事なことです。
 私もこの詩をかいてくださった茜さんに、こんなにきれい詩を書いて下さり、本当にありがとうとございますと伝えたいです。
 本当にすてきな詩ですね。


 土屋桃南


 茜さんの詩を読んで、今はあたりまえのように朝昼晩、ご飯を食べていますが、戦争の間、戦争の直後は、ご飯が食べれなくて、さつまいもやじゃがいもばかり食べていたと知りました。
 ご飯を食べるのが当たり前すぎて、何がおいしいなどという気持ちがなくなってしまったのかもしれません。
 茜さんの詩で、今一度食べ物の大切さを考えることができました。ありがとうございます。



私の作品を読んで、こんなに的確に素直に感想を書いてもらったこと、こちらこそ、ありがとうございました。
核家族が進む中で、戦争の悲惨さを語り継ぐ人々も少なくなってきました。
そんな中で私が詩を書く意味を問われているのではと思います。
明治、大正、昭和を生きた人々、そして混沌としている平成を生きる人々とも、ご縁をいただいて生きているのですから仙人のようです。
最後にお友達の詩を感謝を込めて紹介します


一つの命
           長岡京子
一つの命から
体が育つ

たくさんの知識から
頭が育つ 心が育つ

育つ 育つ
たくさんの命が次々と


創造
           土屋桃南
                
ひと切れの布から
 洋服が生まれる

一本の木から
 えんぴつが生まれる

生まれる 生まれる
 私達の世界から次々と

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