文学館ツアー(吉備路文学館) 神田さよ2001年3月22日 参加者16名 穏やかな春日和、新大阪より新幹線で岡山到着。タクシーで5分位のところに吉備路文学館がある。坂本明子氏、岡隆夫氏が出迎えてくださった。 |
吉備路文学館を訪ねる 永井ますみ2001年3月22日、関西詩人協会は恒例の文学館ツアーで吉備路文学館を訪れることになっていた。ようやく春めいた気候の中を、私一人新神戸から、新幹線に乗って岡山に着き、時間的にもゆとりがあったため、ぶらぶらと線路沿いに文学館に向かう。最近は全く忙しがって歩くと云うことをしない、これはいけないことだ。岡山の空気はまだ綺麗で深呼吸をしても良いかな?という感じ。川には何処からか紛れ込んだ、鯉らしき魚がいて、上流へ向かって常に体勢を整えようとしている。更に小さな魚がちゃらちゃらと流されては上っている。柳が小さな芽を吹いている。企画展「吉備路近代文学の八人」と特別展「吉備路の作家・色紙三十人展」をしていて見学することができた。勉強不足の私が知らない人も勿論あった。詩人は謙遜するというか余り詩を書いていますわよとは言わないが、謙遜ばかりしていないで、郷土の詩人を顕彰する事も大切とも思った。 坂本明子氏推薦の「祭り寿司」を昼食にいただいて、文学館ご自慢のお庭を散策する、どこからか春の匂い。 関西詩人協会から出席者十七名に、迎え撃つ岡山の詩人たちが岡隆夫氏、坂本明子氏総勢十六名。 岡隆夫氏はこの文学館の会計をしていらっしゃるとか、成り立ちや規模等について教えて貰い、関西詩人協会からは福中都生子氏原圭治氏が現状説明をされる。既に器を持っている立場と、例えば空き部屋でも良いから欲しいというこちらの立場とは、その主張に微妙なずれがあるように思った。共通した認識は行政は頼りにならない、文化を継承するのは行政ではないという事か。実はこの「吉備路文学館」は中国銀行がバブルの時代に計画して建設し、行政は金も意見も出してないと云う。 入館者は少なく、従って入館料は庭の手入れ位で吹っ飛んでしまう。当初は基金の利子でスタッフの給料は出るという目論見が金利の下がった今は見事に外れて、銀行自身がその生存競争に苦慮している現在。でも、どうしているかまではお聞きしませんでしたが。 館長がマスコミと市民を味方にしなければと初めに言っておられましたが、この会でなんばみちこ氏が「現代詩自身が一般の市民とかけ離れていてはいけない、現代詩が市民を巻き込んでいかなくては文学館を存続させる事はとても難しい。」と言われて、ごもっともと感じた。 一致して賞賛していたのは北上の「日本現代詩歌文学館」一度訪問してみたいけれど少し遠い、せめてインターネットで覗いてみるとしよう。 会の後、古い本を入庫した際消毒?する最新式の燻煙庫と書棚を見せて頂いた。一同感嘆。古くなった書物が傷まないように、昔は虫干しと言っていたが今は一日書庫を密封して燻煙するそうである。書物の検索についても聴きたかったが、どのように説明したら分かるか思案している内に、残念ながらタイムオーバー。
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