主催:関西詩人協会 期日:2008年5月11日 場所:宇治 |
今年の文学散歩のテーマは「源氏物語千年紀」ということで、源氏物語ミュージアムと藤原氏の別荘であった平等院に案内して頂いた。高校時代に、源氏物語を古文の時間に習ったと思うし、大阪へ就職して出てきたから源氏物語の講座を何回か受けたと思うが、男は兎も角、女の数が多すぎて理解ができていなかった。結婚の制度が違うし、新鮮な気持ちで参加した。
早蕨の道(さわらびのみち)は 柔らかな紅葉若葉が新緑を誇示し、私たち30人ばかりの仲間たちはそれぞれにおしゃべりしながら歩いた。 与謝野晶子の歌碑 橋姫 しめやかに心の濡れぬ川ぎりの立ち舞ふ家はあはれなるかな 椎が本(もと) 朝の月涙の如し真白けれ御寺(みてら)のかねの水わたる時 総角(あげまき) こころをば火の思ひもて焼かましと願ひき身をば煙にぞする さわらび さわらびの歌を法師す君に似ずよき言葉をば知らぬめでたさ 宿り木 あふけなく大御女をいにしへの人に似よとも思ひけるかな 源氏物語ミュージアムは庭の手入れの行き届いた美しい建物だった。 下村和子委員に今回の文学散歩についての経緯と今日の予定を聴く。 |
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西村恵子学芸員 宇治という処の解説。 源氏物語の舞台の最後は宇治十帖と言って四十五帖(橋姫)から最後の五十四帖(夢浮橋)が宇治です。宇治は昔から景色の良いところで知られていましたが、御陵も多く貴族たちは別荘を作、日常の暮らしとは別な時間を持っていた。別荘には御堂を作り仏を安置し、癒しの場とする特別な意味を持っていた。宇治はあの世とこの世が混沌とした土地と言える。 |
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中井和子氏『なびかなかった女たち』 源氏物語は五十四帖あって、それぞれに光源氏、薫、匂宮と女たちの交流が書かれているのだけれど、この沢山の女たちのなかで、靡かなかった女が三人いるという。 【空蝉】【朝顔姫宮】【宇治大君】の三人について、その経緯を細かく話された。 高貴な男に身を任すことで生活の安定を得た女という身には、靡かないということは強い意志を必要とする事だったという。特に【空蝉】の場合は歌も示されながら話して戴いたのでとても分かり易かった。 京都弁による源氏物語はこちらへ。 |
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源氏物語ミュージアムの映像展示室にて篠田正浩監督作品『浮舟』の映像観賞する。 |
宇治神社は延喜式にいう宇治神社二座のうちの上の社である。祭神は菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、応神天皇、仁徳天皇。 宇治川の東岸の朝日山の山裾には、神社建築では、日本最古の本殿である宇治上神社が鎮座する。 平成6年12月に平等院と共に世界遺産に登録された |
宇治川をバックに参加者の面々。一人足りないのは撮影してくれた人です。 |
喜撰茶屋で遅めの昼食 おいしかったですねぇ。豆腐や麩が名産であるらしく・・・・・。 このお弁当を持って舟に乗るという趣向もなかなかと思うのですが、 今日は呑み会ではなくて「文学散歩」ですから。 店先で、毛利真佐樹さんが抹茶焼酎を購入。私もご相伴にあずかりましたが、宇治らしく抹茶の香りのする、気持ちの良いお酒でした。 |
ときの権力者、関白藤原道長が左大臣源重信の婦人から譲り受けた別業をその子頼通が、永承7年(1052)にこれを仏寺に改め、平等院としました。(世界遺産・平等院より) この建物自身が1000年の建物として、世界遺産になっているようです。これを外からぐるりと巡り「平等院ミュージアム鳳翔館」を見学しました。 |
その後は流れ解散で、私はお友達と京都美術館であった『暁斉』展で、地獄と極楽を見てきました。(文責・永井ますみ)