第13回 関西詩人協会総会

日時:2006.11.26
場所:トーコーシティホテル梅田
開場:13:00 開会:13:30
公表会員数:333名
参加数:76名+外部5名(委任状120)


 午後一時開場にあわせて、十月に行われた「第五回詩で遊ぼう会・郡山」の編集ビデオの放映を会場で行ったが、パソコンが小さいのと声が届かないのが難点であった。

司会進行は横田英子委員。まず、物故会員への黙祷を捧げた。
香山也衣、福田万里子、天崎寿々子の三氏であった。
開会の挨拶を金堀則夫委員

 委員会に六名新メンバーが加わって、なんとかこの一年をやって来た。こういう会で皆さまに出会うのも楽しみですが、詩集や詩誌を交換することでも交流を深めている訳です。
 (この十月から、ある宅急便の料金基準が重さから厚さに変更になった事に触れて)会報などの送料が随分安くなるので、詩誌活動においても喜ばしいことです。


杉山代表挨拶
 詩という変なものに取付かれた我々は「太陽の方が動いている」と書いたりして、自然科学とは違う生き方をしているのですが、この夏、冥王星の位置と名称について世界中の天文学者が千人以上集まって論争をやったそうです。何も役に立たないことに血道を上げて大論争をやったという事を知って、世界には沢山詩人がいるんだなと大層心強く思いました。
 関西詩人協会のこれからすこやかに成長して行くことを願いましてご挨拶に代えます。


  議長選出により原圭治会員が選ばれ第一部の議事が進められた。
以後、予定通り@運営事業報告(佐古祐二委員)
会員拡大今年は新しい入会者26名があったが、退会20名名誉会員4名なので、会費は微増にしかなっていない。今日の資料に「お誘いのしおり」を添付しましたが、皆さまにも「詩に関心がある人」への勧誘をお願いしたい。
ホームページは永井委員により順調に更新しています。カウンターも一昨年より昨年と増加している。
国際交流(有馬、村田、薬師川委員)としては、今年の目玉として
英訳詩集『言葉の花火』
(薬師川・村田・左子・名古委員)を発行した。
参加者68名参加費を従前の30000円から25000円に値下げして実行することができた。
翻訳・編集:村田・薬師川各委員・藤井雅人会員、ノーマン・アンガス氏(梅花女子大学教授)
事務局:左子委員(出版)名古委員(会計)
関西詩人協会ホームページに海外詩人の詩や俳句を掲載した。
海外の入会希望者の扱いにつき討議し、会員等本協会の構成員ではなく、国際交流の海外での協力連絡の役割を持った会外の人という位置づけとし、名称は「関西詩人協会 国際交流活動 協力員」とする。

文学ツアー(下村・以倉・横田各委員)
5月21日に「蕪村の句碑と淀川毛馬を訪ねて」と題して、散策と以倉委員の講演「蕪村と淀川を実施参加者は43名。
詩画展
7月15日〜27日までの期間、新しい会場として「大阪市立中央図書館」共催で行うことができた。参加費は500円。出展者は38名。詩集、詩誌を展示。感想ノートに41名の記載があった。
10月1日「第五回詩で遊ぼう会《ハリー彗星の渦》inやまと」を実施。(白川・蔭山・毛利委員)参加者は41名。



A会報発行報告(左子真由美委員)
新しく「ポエムセミナー・自作を語る」というコーナーを作りました。現在は委員の執筆にしていますが、徐々に会員の方にも広げますので宜しくお願いします。
新入会員の方にコメントを頂くコーナーを作りました。できたらお写真もと思っています。
会員の活動のコーナーへ、ご活躍のあらましを、4行でお知らせ下さい。



B会計決算報告(名古きよえ委員)C会計監査報告(河井洋監査委員)D次年度事業計画案(外村文象委員)E次年度予算案(名古きよえ委員)が報告された。


次の年会費から振込料の負担者が、協会から各個人に替えて欲しい。(収入を実質的に増やすため)今年から振込料が100円になっている。今までの赤い振込用紙(振込料が会負担)から青い振込用紙(振り込む人負担)に変えて会員にお送りします。
新入会員(収入)を増やしたいのでご協力をお願いします。


纏めてF質疑応答・採決に移った。
 質疑応答無く、委任状と出席者の確認があり、満場の拍手によって議案はすべて承認された。
 また、関西詩人協会への勧誘文書が作られたので、詩に関心がある方を誘って頂くべく、出席の方に一部ずつ配布された。
議長退任


新入会員の紹介 中岡淳一、佐相憲一委員


 入会者26名の内、出席された畑中暁来雄、北村真、桂浩子、森清、三室翔、川口千枝子、田中昌雄の各氏が起立して紹介された。
閉会の挨拶 有馬敲





第二部
木津川計氏の「優しさとしての文化」と題した講演があった 。詳細はこちらへ。



アンソロジー「言葉の花火2006」から詩の朗読を杉山平一、秋野光子、川中實人、尾崎まこと、ますおかやよい各氏がされ、ノーマン・アンガス氏の英語対訳朗読があった。

杉山平一 秋野光子 川中實人 尾崎まこと ますおかやよい

その後、翻訳をして下さった藤井雅人、村田辰夫、ノーマン・アンガス、薬師川虹一氏の座談会が持たれた。


ノーマン・アンガス 楽しかったけれど、例えば日本人は初対面では頭を下げる、英語圏では握手をするという風に場面によって表現も違う。詩人たちの気持ちをどうやって忠実に表現するかに気を配った。同じ効果を出そうと思ったら、直訳の言葉を入れても出ないので、品詞を代えたり言葉自身を代えたり大文字や小文字にする工夫をしました。
藤井雅人 言葉の決まりの違いに苦労した、主語述語、単数複数をはっきりしなければいけない。はっきり表現したくない場合などに困った。
村田辰夫 詩は理屈ではなくて印象なので、例えば「桜」は英語では「チェリー」なのだが、それでは食べるサクランボのような印象を受けます。又「狐の嫁入り」という詩に「案外ぶっとい私のあんよ」というフレーズがあって、英語で「バーリー」という単語を入れた、それでは筋肉質というような意味なのです。著者は「グラマー」という言葉でどうか?と言ってこられた。英語での本意は「魅力的だけど幻惑するような」というニュアンスがある。結局私たちは「フレッシィとしました」果物が一杯詰っているといようなニュアンスです。
薬師川虹一 翻訳の方法としては、届いた原稿順に三人に振り分けて、それぞれが翻訳します。それをアンガスさんに見て頂いて書き直してもらい、それを四人が突き合わして協議します。個人による翻訳だったら、○○節というのが出るけれど、複数で訳すると偏りが少ないと思います。
アンガス 難しい漢字は読めません。やさしくルビをふってあるのもあるし、造語としてのルビもある。私としては日本人のように「何となく」というのは納得できない。ホントに難しいのだけにして頂くと嬉しい。
藤井 日本と英国の文化について考える機会になった。詩を英語で出すことは、世界の人に読んで貰える可能性が出てくる。
村田 日本と英語のリズムが違うんです。
アンガス これは楽しく翻訳しましたと、杏平太さんの詩「狐の嫁入り」を朗読される。




第三部
白川淑委員佐藤勝太委員の司会によって、和やかに進んだ。
「親しい方とか初めての方とか、皆さん勇気を持って交流して下さい」との、白川さんの言葉の後押しで、賑やかに楽しく語り合った交流会であった。
        

詩集を出された方(ご出席の方のみ)の紹介
岸本嘉名男 「巡り会い」
中尾彰秀「レディナダ」
佐相憲一「詩歌の力」
西田彩子「金山新六遺作品集」
武田朔歩「軽業師のように直角に目覚めて」
薬師川虹一「石仏に向かう」
中岡淳一「宙家族」
平野裕子「季節の鍵」
杉山平一「詩と生きる形」



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