詩人の友  丸山薫


敗れた者でなければ
友ではない
虐げられた者でなければ
味方ではない


押しのけ進む者は
旗とともに去れ


彳んで 憩ふことなき脚
さまよふ飢え
永へに返すを知らぬ辱め


それら夜更けの想ひに
雨風の中に
闇のかなたに
面伏(おもぶ)せて誰と名乗らぬ陰翳(かげ)


おぼろなる求めと
声たてぬ啜り泣きこそ
われら詩人の味方なのだ



             (詩集『花の芯』より)







汽車に乗って   詩集『幼年』より








































































































































































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