1. | 毬(ボール)は海が見たいのです (竹中郁「ラグビィ」より) |
2. | 毬(ボール)は消息を求めて (たかとう) |
3. | 石段を坂道をとんとん ころころと (ますおか) |
4. | 本当は 私は決して海をみたいとは思っていなかったのです (横田) |
5. | 漁師の父の太い手がボールを受けとめ しおんの花咲く海の風にのって又次の人へボールは自由に飛んでゆきました。 (小沢) |
6. | 息子は数歩ボールを追い 立ち止り 波へ目を転じました (森) |
7. | ああ、あの向こうの島まで泳いでいこう (柴田) |
8. | ザブンと飛びこみボールのように進んで行きました (しば田) |
9. | 波よ 風よ すべては私の味方 今日までのあらゆるものがすべて 私の力となり 幸せにつながりますように! (はるな) |
1. | 昆虫の目玉に似た うすみどりのつぼみがつき (足立巻一「南天」より) |
2. | 短い宴(うたげ)が間もなくやってくる (後 ) |
3. | エキゾチックな関係ってなに (冨岡) |
4. | ギターの音にしびれながら (木下) |
5. | 神戸の小さな部屋でその人の写真を見る (岡本) |
6. | 今夜は手紙を書こう 南天の赤い実のようなことばをひそませて (名古) |
7. | 虫の目は光っている 虫の声はひそんでいる 椿の花びらが開く (さよ) |
1. | 感傷的な人たちは語り合う (多田智満子「源」より) |
2. | 語り合う言葉が出てこない白いテーブル (金堀) |
3. | わずかばかりの隙間(すきま)が開かれると (滝沢) |
4. | 感傷を捨てた男が顔を出す (じき) |
5. | 二十四日の月を二人で見ようか (和美) |
6. | 言葉はなくともよい (みき) |
7. | どこかで戦さのない日があったなら (志田) |
8. | しずかに白い萩の花 こぼれるをながめていたい (瀬川) |
1. | 歌がうたはれたのは青い雲下の (富田碎花「たてごと」より) |
2. | ながい冬に比べて 短かった夏の日のこと (杉山) |
3. | 急いで駆け込んできた沈黙 (石井) |
4. | ここ、神戸の北野坂で 詩で遊ぶ言葉はじけて (岸本) |
5. | 木木(きぎ)にひそむ妖精に語りかける (香山) |
6. | 震災に立つ新しい館で詩の次元開く (大賀) |
7. | 再び聞きたい 喜びの声のはじける音を (永井) |
1. | ああ、書物 夢に指でめくることもある (竹中郁「書物」より) |
2. | めくられた次の頁に何が書かれているのか (原) |
3. | だまれ うるさい とおもいながら はじめよう (毛利) |
4. | 山から海まで二里ばかりの街に虹がかかる (かとう) |
5. | どんな絵になるかしら 具象画 抽象画 (短田) |
6. | 美しい景色 山の風景画がすき (吉田) |
7. | 今年一月十七日、山から海へ虹がかかった これ以上の風景画 見られるかしら (白川) |
8. | 虹を超えて 夢のとびらを開けるとき 誰にもじゃまされない自分自身でノブを押す (MARU) |
1. | まぶたに描く虹の花綵(はなづな) (冨田碎花「兵庫讃歌」より) |
2. | まぶたのぶたが浮かんで (中尾) |
3. | まぶたのふたがふさいで (葉) |
4. | 坂を昇ってくる○○がチラチラ (左子) |
5. | ふようをさけんだひとの声 (好能) |
6. | エーデルワイスのこたえる声も (かげやま) |
7. | 時々に胸ふるえ声ふるえ四月の雪 (文象) |
8. | まぶたに描く虹のヨン様 (のむら) |
9. | 花はやはり遠くなっていくのでしょうか (高谷) |