大阪市立中央図書館訪問

関西詩人協会主催
2005年7月11日
 梅雨の晴れ間を縫って、午後二時西長堀にある大阪市立中央図書館を訪問する。
大阪に文学館を!!というテーマで、今まではいろんな文学館を訪問したが、今回はこの大阪市立図書館を訪問することになった。
 写真はこのHPから再掲です。ゴメンナサイ。(デジカメを持って行ったけれど、光が乱反射していてうまく撮れていなかったので)
 地下鉄の西長堀で降りて出口が近づいたかな?と思ったら、いきなり人々の読書にふける光景が見えてきたので驚く。地下からも読書室に入れるようになっているのだ。
 私たちの集合は1階のフロアとなっていたので、恐る恐る行ってみると、知った顔があって、一安心。今回の幹事である原圭治さんに聞くと十五人余りの予定とのこと。一寸少なくて当てはずれというか。でも考え方によっては多過ぎなくて良かったというか。昨年の国立図書館関西館は結構不便なところだったけれど、見学人数が多くて二班に分けて廻ったことを思いだした。
 最初に、ビデオに纏められた概要を聞く。(案内:高橋俊郎さん・織田作之助研究者でもある)
昭和36年に建てられた図書館は短詩型文学を中心として収集していたが、平成4年から平成8年まで掛けて、地下6階から地上5階(6階部分もある)までの大きな建物になってリニューアル・オープンした。
 蔵書は157万冊あり書庫に120万冊納まっており、残りを開架式の閲覧に供している。
書庫は300万冊収納可能という事で、現在、半分を一寸上回ったところか。
 元々、水の都おおさかの長堀川を埋め立てているので、地下の深くは水があって浮力が働くため、地下にはコンクリートが思い切り詰め込んであるという話を面白いと思った。鋼鉄の船が浮くのだから。この船(図書館)には一杯の蔵書を詰め込んで、読書する人間を一杯詰め込まなきゃ。
 

全館を廻る訳にいかないので、「文学・詩」の部分と「貴重書庫」を、早速案内して頂く。(地下へ)
「私の詩集はあるかなぁ・・・・」と見ているところ。
「友人の詩集が置いてあるのに、何でないんだろう」
「普通に出版されたものは図書館で買い取り、蔵書にすることができますが、自費出版などは網から洩れるので・・・」
「じゃあ、こちらへ送ったり、持ってきたら置いて頂けますか?」
「いいですよ、現在詩集が少ないでしょう?」
国立図書館のように、厳重な温度管理などはしてないようだが、それも庶民的でイイ感じ。


貴重書庫を案内して頂いた。
 こちらは、御覧のように木製の本棚になっていて、骨格は檜、棚板は桐で出来ているそうだ。有難そうな紙の箱に収められた和綴じの文書や絵などが入れてある。これも手続きをしたら見せて貰えるらしい。
 なかでも、大切に中性紙を挟んで入れてあったのが
「引き札」という一枚物の紙。
見とれていて写真を撮るのを忘れたのだが。「これで、客を引く、札」という訳で、今の広告というわけだ。
 デジカメで撮って、手軽に加工して広告にする、今からでは考えられないくらい大層な話だ。何色も重ねて刷る、多色刷りの大きな版画ですね。
着物姿や、風俗も当然ながらレトロな感覚!!


再び会議室に戻って河野幹雄さんによるお話。
 河野さんは「月刊・福祉のひろば」という雑誌に「文学に出会う旅」というタイトルで、日本各地の文学館を取材してまわっておられるという。2005年7月現在で、65館目という事だ。
 余りに多いため、どれから話そうと困っておられるようだった。そうだろう。自分の足で文学館に行って、自分の眼で見て、自分の口と耳で学芸員の方々とお話をしてこられたのだから。どこがと、甲乙付けがたくて当然と思う。
 参考冊子を戴いた。右の「福祉のひろば」に掲載された「文学にであう旅」の2003年4月号から2005年3月号迄をコピーされたものだった。



 お話が済んでから解散と云うことだが、階段教室になっている講演会用の300席の空間。小グループで話し合いに使える部屋などは、羨ましい限りだ。点字用のパソコンや、対面朗読サービスや、ビデオ視聴が出来るなど、最先端の備品も揃っているようだ。が、一番感心したのは、読書スペースに沢山の人が居ることだった。利用されてナンボの図書館というイレモノなのだから、あたりまえの事と云いながら、難しいことでもある。
 パソコンで勝手に検索できるのも魅力。帰りにしてみようと思ったけれど、入会を先ずしなければならないということで、今回は見合わせた。少なくとも「関西の詩人の詩集はここにある」と言えるように受け入れて貰いたいと思う。


 以前に私の暮らしている神戸の図書館に「置いて下さい」と詩集を持って行ったら「読者がある本を置きたいので」と断られた痛い経験がある。
「詩集を読む人なんか居ないという事なんか!!」今もまだ、イタイ。
(大阪市立中央図書館の住所:〒550−0014 大阪市西区北堀江4−3−3
                  電話:06−6539−3302)








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