第一回「詩で遊ぼう会」が2002年7月6日京都芸術センターでありました。
                                 

主催 関西詩人協会
 共催 京都芸術センター
下の説明は京都芸術センターHPからの引用です

 建物は、1993年(平成5年)に小学校の統廃合のため閉校となった、元明倫小学校。昭和6年に改築された元明倫小学校の歴史や建物の外観、大広間、講堂、和室などの文化財的価値に着目し、自由な芸術活動を行えるよう配慮しつつ、既存の施設をできる限り生かした改修を行いました。

芸術センターは、この都市に蓄積されてきたすぐれた伝統文化を現代に活かしつつ、美術、音楽、演劇などさまざまな分野の芸術が出会い新たなものを生みだす場として、さらにその成果を生活や技術、産業へとつなぐことでいっそう豊かな都市を再生させる場として構想され設立されました。

 センターでは、さまざまな自主事業を展開します。より具体的には、(1) ジャンルを問わない若い世代の芸術家の制作活動の支援、(2) さまざまなメディアを用いた、芸術文化に関する情報の収集と発信、(3) アーティスト・イン・レジデンスとして受け容れる、国内外から京都を訪れる芸術家を中心にした、芸術家同志また芸術家と市民の交流の場の提供、に要約できるでしょう。こうした活動をとおして、新しい世紀の都市文化の創造拠点となることを、京都芸術センターはめざしています。


  お世話をして下さった

   薬師川虹一さん
   白川淑さん


 白川さんは、京都らしくお着物でした。
 様子は、絽の小紋で、紺地に銀河の模様に小蝶をあしらったもの。
 帯じめにも、小さな星があしらってあるそうです。
 ちょっと、向こうを向いてみて下さいな。


 森乃福郎師匠

 落語:演題「抜け雀」

 前振りに、京都と大阪の食べ物の違いについて。
 七夕に関連して、節句についてのお話。
  
賢こうなりましたえ

 福郎師匠のホームページはこちら

    
  ちょっと休憩  


小さな小さな机は黒光りしていて、それぞれはコーヒーや紅茶やジュースを頂いた。
人間が多すぎて小さな机の上に三人分のお皿を並べるところもあった。それはそれで、親密感を増すものであった。私たちは給食の時の子どものように嬉々として並んだ。


  黒板に貼られた標題『星の部屋』は杉山平一氏自らが書いて(貼り絵)こられました。

  「もともと朗読は、好きではないのだが白川さんに星の詩が沢山あると言われて、その気にならされたのですが、 数えてみると30から40編ありました」と話されました。
  このような形で朗読されるのは初めてということでした。
  短編の詩を数編と長編(氏はミステリーとして書いたと言っておられましたが)は圧巻でした。

  3月  杉山平一


走ってくる春の聖火ランナーの
かかげる聖火の白い梅が
チラチラ見えてきた

東の夜空には
春のアークチュルスが
チカチカのぞき出した

むかし ながく苦しかった時代
あの星に祈ったころを思い出す。

トンネルは必ず抜けるものだ
待つものは必ずくるのだ


来たのかもしれない
郵便受けにぽとりと音がする
  



詩のキャッチボール

  短い詩を口頭でしゃべる
右チームと左チームとでやりとりをする


村田辰男・中井不二男組 原圭二・藤井雅人
薬師川さん
@星が流れる夜
A止めどなく、どこまでも。 B思い浮かべ、止めどなく。
C星の数だけ D消えたような気がして
Eふとみれば F織女の姿かまぼろしか
G牛に牽かれて

このような作品ができました。

福田万里子・日野友子組 松岡啓子・早川玲子組
薬師川
@ある夜わたしは星をつかんだ
A掌のなかでそっと B少し先輩だけれど私は異星人ではありません
C織り姫と彦星は逢えたのですか D夢の中の想いがよみがえる
E窓の外から Fキラキラ星のワンピースを着ていた乙女の日頃戻りたい
G戻れるようにカササギをたくさん連れてきましょうね Hカササギの橋を渡って
Iあなたの所まで Jいつになったら行けることか
Kそんなに足踏みしないでさっさと来てよ L私はその橋を本当に渡りたい

このような作品ができました。

                    
  詩の闇鍋

無記名でそれぞれがとっておきの一行を書く。それを集めて並べるとちゃんと?一つの詩ができあがります。
みんな熱心に書いているところ。

できあがったのがこれです

星のテーマで
村田さん朗読分

ああ、光があるなら見てみたい、光があるなら与えたい。
母を思い、あるか無きかの星のまたたきを見ている、
流れ星がふところに飛び込んできた。初めての経験、胸の鼓動が高鳴る。
七夕の夜 初めて浴衣を着た 若者が
私の頭に星屑を詰める
星の言葉に幸多く
夜遅く家にたどり着いた頭上に北斗七星がまたたいている お父さんのように、
億万光年の彼方から降りそそぐ愛のきらめきを受け止めて下さい。
あの夜の流れ星、なんと美しかったことか、今もよみがえる
星は頭上
(ずじょう)に充ちあふれ 夢は頭中(ずちゅう)に充ちていく、
太古より星は近くなったか、遠ざかったか。
星の橋を渡って故里を訪れる。
梶の葉に描いてみたい織姫の恋ぶみを。

      

白川さん朗読分

遠い遠い 時を越えて届いた光。
星の光が見たくて 夜咲く花に生まれたの。死者たちもなつかしくて。
久方の様変わりした京の夏。
鐘が鳴る犬が鳴く
年齢不詳の男の背中がアンティーク・ドールの目。いや、一番星がのぞいている。
もしも 自分の急激退化をみとどけることができたら、
長寿をめざそう。
二〇〇二のたなばた見えるが七〇〇七。
天の川一歩渡れば塀の中。

     

藤井さん朗読分

子どもたちに教えられた 「青」という星座の端に光る地球を。
あんなに紅(あか)く うるんだようにもえて、でも さそりざはかなしい
久方の二人旅なり海の宿、天の川見ゆ けふ星祭り。
この世で一番美しいものは 夜空に輝く星と我が心の内なる道徳律 とある人が言った。このごろ星を見ることはないが、
何億光年の宇宙の彼方に たった今 赤ちゃん星が生まれた、ホラ!泣き声が聞こえる。
晴れた夜だというのに 明るすぎて 星が見えない。
星祭り ウルトラマンにあいにゆく。
希望を持って見上げた夜空の星が きっと願いが叶うとピカピカはく手。
いつか逢いたい人々に星の部屋で。
「星影のワルツ」が懐かしい 今も耳の底に残っている。
40億光年昔の光を、見る すばる天文台。
宇宙の暗い空間
(スペース)に渦巻く 星雲の激しいダイナミックな輝きを 生きるが如く生きて。
昨夜の嵐で白紙になってしまった心に

     

総集編

ああ、光があるなら見てみたい、光があるなら与えたい。
久方の二人旅なり海の宿。天の川見ゆ けふ星祭り。
久方の様変わりした京の夏、
鐘が鳴る犬が鳴く
梶の葉に描いてみたい、織姫の恋ぶみを。
星の橋を渡って故里を訪れる。
太古より星は近くなったか、遠ざかったか。
昨夜の嵐で白紙になってしまった心に。

     

自由編
原さん朗読分


廃寺あとに乱れ咲く野びるの愛らしき花々。
二〇〇二から七〇〇七まであと五〇〇五。
空の中にどこまでもつづく道がある。
もう忘れてしまった小学校古い教室に遠い思ひ出。
また立ち返る水無月の嘆きをだれに語るべき……。
死んだ男はどうしても忘れられない…。
古い死よロングロング・ァ・ゴー。
又お会いしましょう、悲しみの笛を聴くまで、ごきげんようごきげんよう。

      

福田さん朗読分

教室のノスタルジア、緑の黒板、椅子の詩人たち。
地球には日の輝く旗、星のまたたく旗が、はためいて。
枯沢カールに、ハーケンを打つ音響き。
梅雨空を抜けると、もうそこは満天の星。
また夏、突然の雨、祇園ばやしの濡れる響き。
男は生きざま女は品、
闇をすかすとむこうの端にひとり、こちらの端にひとり、
見えているなら嬉しい、見えなければ孤独。
消えゆく蝉の声。

      

島田さん朗読分

風に吹かれているのではなく、風に乗っているのだ、
いつかは龍のごとく天に昇りたい。
まだ聞こえるのです幼かったあの日のあなたの声が、
ギオン祭のよい山で、浴衣姿の若者とすれ違う。
故郷の老いし母に会いに行き、力をもらって帰ったのは娘の私。
百鬼夜行の闇世界、悪事利権がブラックホールへまっさかさま。
あっとおどろくことばあそび、ぼーとしていた脳に良いカンフル剤。
古い校舎に人が集まりことばが遊んでいるよ、ことだまがが跳ねているよ。

      

それぞれの作品を笹の葉に飾って

      また遊びましょうね

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