第7回2000年度 関西詩人協会 総会

日時:2000(平成12)年11月12日午後2時〜 場所:東興ホテル

第一部 第二部 第三部


第一部 司会進行:原圭治委員
 開会挨拶  高橋徹委員
 総会代表挨拶 杉山平一代表
 運営・事業報告  中岡淳一委員

  • 入会者15名退会者14名 9月末会員数381名
  • 会費未納者については督促の上除籍をした。
  • 平成12年より4000円/年となっている。
  • インターネットHP昨年9月カウント数3452回本年10月19日現在6008回
  • 詩の色紙展は西梅田地下画廊にて1月ー35名参加 10月ー34名参加 
  • ポエムセミナー
       4月青木委員担当 18名参加
       6月花邑てん氏  31名参加
       7月下村委員担当 13名参加
       9月詩の朗読会(イベント) 「関西詩祭・21世紀言葉の花火を」と銘打って応典院円形ホールで、ゲストに中山鳳水・ウベ・ワルタ氏を招き開催した。134名参加。
  • 英訳詩集参加者48名この総会当日に印刷も仕上がって大挙持ち込まれた。(拍手)
  • 文学館ツアー 3月施行  参加者22名
  • 平成12年・総会開催準備
  • 日本現代詩人会・主催行事の協賛:日本現代詩人会主催「日本の詩祭2000大阪」のイベント開催について三井葉子実行委員長より運営委員(同会員)に協力要請があり、桐野かおる会員を加え運営委員が大会の主力実行委員として協力した。
  •  その他
     豊原清明会員詩集「朝と昼のてんまつ」で第41回土井晩翠賞を受賞。
     三木英治会員 宗祇500年記念連句大会に永田氏等と海市の会の歌仙「運河」で大賞受賞。 
 英訳詩集 刊行報告  薬師川虹一委員
  当日竹林館から搬入された。「協会設立後に初めて出版した詩集である。48名が参加された。翻訳に当たっては村田辰夫、藤井雅人氏と3人で行い、個性の強いものを均す作業も必要だった。検収にはノーマン・アンガス氏の協力を得ることができた。
  どのような仕上がりか、感想・批判を頂戴したい。
 会報発行報告     志賀英夫委員
  会報17ー2月 18ー6月 19ー10月発行した
  次期は4回/年予定 行事の「お誘い」と同時発信して郵送費を安くあげたいと思っている。
 会計決算報告     左子真由美委員(担当の横田英子委員が都合により欠席のため)
 会計監査報告     水谷なり子委員(もう一人の柴田忠彦委員と共に監査しました)


次年度・事業計画   
青木はるみ委員
1.会報の発行
   @発行予定と原稿締切日
発行予定日 原稿締切日
20号 2001.01.10 2000.11.30
21号 2001.04.01 2001.02.28
22号 2001.07.01 2001.05.30
23号 2001.10.01 2001.08.30
   A会報への情報提供及び送付先 志賀英夫委員
   B会報は900部印刷(会員:400・寄贈:200・宣伝:300)
   C寄贈先は各都道府県の詩人団体及び全国組織の文学団体、全国紙と地方新聞社。
2.文学館ツアー(日帰り)
   @第5回文学館ツアー 2001年3月22日(木)
    行き先:岡山吉備路文学館  担当福中都生子委員
   A大阪文学センター(仮称)の早期建設を求める陳情書を大阪市議会へ提出する(11/10提出しました)
3.詩画展
   第6回 2001.2.3〜2.9  搬入2月2日(金)pm4時
   第7回 2001.9若しくは10月予定
   開催場所:梅田地下画廊(地下鉄西梅田改札通路)
   参加申し込み 原圭治委員まで 第6回の締切2001.1.15迄
4.ポエムセミナー
   第5回 2001.4.21 講師白川 淑委員
   第6回 2001.11下旬 講師未定
5.インターネットホームページについて
   @「関西詩人協会HP」を継続する。発信者:永井ますみ会員
   A運営委員の作品提供を受けて、「委員の詩」は常時3人を目途に順次更新する
   B会員の詩は自選詩集から採りますので次期募集の「第三集自選詩集」も沢山の人に参加を要請する。
   C詩誌案内を充実させたい
   Dイベントの宣伝を模索しています
   Eイベントの報告の為にレポーターを決めておいて欲しい(其の都度)そのレポートもメールかFDだったら良いな。
   F現在日本で二つしかない公的なHPとして今後充実させて行くために、ぜひ皆さんの御協力をお願いしたい。
6.関西詩人協会自選詩集の発行
   2001年度に第三集を予定する。
   編集担当:高橋徹、島田陽子、下村和子各委員。
次年度予算(案)   左子真由美委員(横田英子委員の代わりに代読・説明)
 質疑応答・採択 (一括して提案されたが特に異見なく満場一致にて採択された)
質疑応答、採決が行われ、上記について一任の承諾が得られた 
新入会員紹介     明珍 昇委員

  今回出席されている新会員を呼名して紹介。インターネットで申し込みをされた人を現在保留している。入会費・会費等の問題もあり、一応紹介者を通して欲しい旨の説明あり。又申込書を今日の参会者に渡してあるので適当な方には勧誘を・・・。
  
                 閉会挨拶       金堀委員

ー休憩ー


   

第二部
 司会・講師紹介   左子真由美委員
 詩の朗読 自選詩集から  日高てる委員

左から水口洋治 喜尚晃子 青木はるみ 中岡淳一 日高てる 各氏





    講 演

「究極のことばとしての上方語」
       講師 松本 修 氏


     朝日放送・局次長プロデューサー


1988年3月から始まったABCテレビの探偵ナイトスクープを担当していて、ある日の捜索依頼の投稿から言語学者のような事をするようになったと、講師の松本氏は話を始められました。
 夫婦喧嘩をしていて東京出身の夫は「バカ」と言われると激怒して、大阪出身の妻は「バカ」には余り反応しないけれど「あほ」と言われたら大いに反応した。ところでバカとあほの境界線はどこら辺りにあるのでしょうか?
 早速捜査員を繰り出して、道を通る人に「あほ」「バカ」と話しかけてその境界線を探っていくと、丁度関ヶ原の辺りで出逢ったそうである。只、それのみでなく中京方面に「たわけ」がある事を発見した。其の境界線も西今須であった。調べていくと「あほ」「ばか」「たわけ」以外にも言葉があることが分かったので、日本国中の市町村の教育委員会に問い合わせてアンケートを取った。あほバカの事を何と言いますか?これには42%の解答が寄せられて日本地図に記したのがこれです。
九州は「バカ」  富山・鳥取・島根は「だら」
岡山は「あんごう」志摩も「あんごう」  栃木・徳島は「こけ」

柳田邦男に「方言周圏論」というのがあります
 カタツムリの呼び名が綺麗な五周の円を描いて広まって行ったことが分かると言われています。
勿論、テレビラジオなどのマスコミが無かった頃、口から耳へ、口から耳へと広がったものです。そしてその中心は京都です。広がる速度も計れます980b/年。
京都から東京へは直線で350`即ち京都の流行が東京へ伝わるのに350年は掛かっている、という事です。 

バカという言葉を検証してみます。 
バカモノが、南北朝時代の「太平記」に出現します(これが初出)
近松も「あほ・たわけ・バカ」を書いています。
そして1770〜80年には「バカ」という言葉が消えています。(熟語として「バカにする」とかは残っているが)
と言うことからみますと、「あほ」は穏やかな音色に包んだ究極の罵倒語と言えるでしょう。
このように関西から江戸への進化はあっても、逆に江戸から影響をうけたという形跡はありません。

 この「アホ・バカ分布図」が出来てから、再度市町村の教育委員会へ発信しました。今度は他の言葉がどのように変化しているかを検証する為です。それの、やはり40%余りの解答を頂き、分布図にしたものをプリントをしてきました。「よくない」「なぜ」「しゃくにさわる」「「ゆで卵」「鶏肉」「婚礼」「交換する」「ぼく」「わたし」「(味が)まずい」「おむすび」「ながら」「たら」。これらはやはり関西を中心にして同心円を描いているといえます。

 例えば大阪言葉として言われている「あかん」の初出は西暦1751年(約250年前)その前に「らちあかん」「おえん」「いけん」「ダメ」と綺麗な同心円を描いてます。
又、連続ドラマで少し前にあった「ふぞろいな林檎たち」では、whyという言葉を「どうして」と7〜8回/H、使われていました。現在の「ビューティフルライフ」では「どうして」が2回/H、「なんで」が8回/H、使われていて「なんで」に傾いていている事が分かります。ついでに言えば現在若者たちの常用語の観がある「〜とか」という用い方は既に「不揃いな林檎たち」の頃から使われていました。

 マスコミが制覇している最近では、関西のお笑い芸人から端を発している言葉も多く、「むかつく」とか楽屋言葉、いわゆる隠語が流通するようになった例も沢山ありますが、これも関西が発信源です。言葉はまだまだ変化します。東京発信の言葉は大抵が和製英語で、本当のオリジナリティーはありません大阪人に頑張って貰わなければいけません。


  


第三部(会員詩集出版を祝う)懇親会 (73名出席)                        午後5時20分〜7時20分
 司会   下村和子委員
 会員詩集紹介(詩集を出版された人から、それぞれひとこと)
上の段 渋谷魚彦 姨嶋とし子 加納由将 瑞木よう 犬塚昭夫 岩国正次 片淵久子 
下の段 おれんじゅう 香山雅代 中谷あつ子 村上のぶ子 中尾彰秀 ときめき屋正平 奥田博之の各氏


                        (懇親・立食パーティ)
乾杯の音頭は水口洋治氏
 「関西詩人協会は参加する人がそれぞれ主役です」というわけで、皆さんが一人ずつ前へ出てお話や、朗読や、暗記した外国詩や、歌などを披露して和やかに会は進められました。


閉会挨拶   福中都生子委員

なお総会会場後ろでは、詩集の展示・販売・交換が賑やかに行われた。(レポーター・永井ますみ)


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